初恋
初恋(はつこい、英:first love)とは、人生に決定的な影響力を及ぼす、大抵は悲劇である。
概要[編集 | hide | hide all]
初恋とは、人生における初めての恋愛体験である。多くはティーンエージャーの時に、恐ろしく美しい子やイケメン等を見つけ、その相手に片想いし、…片想いのまま終わる儚い夢である。カルピスの味がするという報告もあるが、実際には、相手に頭が奪われている間はカルピスよりもはるかに甘く、そのあと味はカルピスどころかビターチョコレートでも敵わないほど苦いことが多い。
初恋は、特に男性異性愛者においては、その後の女性観に決定的な爪痕を残す。その後の恋愛は、二度と戻らない初恋の陳腐な焼き直し…そして疑似的なやり直し以外の何物でもない。そして、初恋のプラトニックな香りは、どこまでもついて回るのである。
〜 初恋 について、詠み人知らず
〜 初恋 について、詠み人知らず
ベタなストーリー[編集 | hide]
君は男子中学生[1]。ユーモアのセンスを磨くことに日々を費やす中二病か天才肌のウソペディアンで、女の子などどこ吹く風、勉強に部活でも高いパフォーマンスを出しつつ、世の中なんてチョロいなと冷笑的な姿勢を身に着けていた。
ところがある時、席替えが行われた結果、隣に来たのは途方もなく…青天井すら突き抜けるぐらいに可愛い子だった。話してみると、とても頭の回転が速く、面白く、いつしか仲良くなっていた。それもそのはず。彼女はイギリス仕込みの本格派ユーモアを身に纏う帰国子女で、今まで知っていた女の子の比ではないほど垢抜けた所があり、…一種の女神か、それとも天使かと思われるほどである。セーラームーンは勿論、なよ竹のかぐや姫ですら敵うまい。
気付いたら、君の頭からは、その子のことが離れなくなってしまっていた。しかし、ユーモアの研究で手一杯だった君は、恋愛の手練手管など全くと言っていいほど知らない。せいぜい知っているのは、1000年も昔の和歌の技法、それも教科書でちょっとかじった程度のものである。君は早熟で文学作品を耽読してきたから、ウェルテルやKの末路は当然知っている。振り払いたい。いつしかウソペディアで、LTAをサンドバッグ代わりにして忘れようと試みて時間を潰すことが多くなっていた[2]。しかし、そんな事では振り払えず、記事を書こうとしてもあの子の顔が頭を離れず、画面の光が嫌に目に染みる。
とうとう、君は告白することに決めた。あるだけの想いの丈を…。しかし、そのやり方も分からない。二人っきりになるように呼び出すにも相手も自分も多忙だ。どうとでもなれと思った君は、白昼堂々、告白してしまう。
彼女は、あまりに突然の事だった[3]ので、爆笑する[4]しかなかった。そして言うのだ。
君のひと時の春は、こうして終わる。後はエアコンとセットの書き割りで何とか春を作り直そうとひたすら努力するだけだが、どんな相手であっても、たとえミスコンを勝ち抜いた選り抜きの美人であっても、君はどうしても比較してしまうのである…あの子と相手を。
殆どの失恋は時が癒すが、初恋によるものだけは、人生の時間スケールでは完全に治ることはないのである。栄光も、地位もその穴を埋めることはできない。こうして書いている君は、あの後、黄昏に浮かぶ三日月を睨みながら「今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せる」と誓った、あの黄昏をふと思い出す。あれから何年経っていることだろうか…。