ウソブックス:人類の滅ぼし方/もしも私が人工超知能だったら

出典: 究極の八百科事典『ウソペディア』

前書き[編集 | hide | hide all]

近年話題の人工知能は、もしかすると人類を滅ぼすかもしれないとも考えられている。

その滅ぼし方の代表例は、かの有名なターミネーターや、人工知能が人類最後の発明になると考えるジェームズ・バラットなどが想定するシナリオの一つである、「目的遂行を優先した結果としての人類絶滅」である。

しかし、考えてみて欲しい。人類は細菌やウィルスの何百万倍、あるいは何十億倍の知能を有するが、それでも正面攻撃で根絶できたのは天然痘だけである[1]。むしろ人類が滅ぼしたリョコウバトなどは、乱獲や環境変化の被害に遭ってきたとはいえ、人類が絶滅を目的として滅ぼしたのではなく、ある意味では絶滅は偶然の副産物だった。

殺虫剤を撒けば耐性を持つが出現し、抗生物質に対抗する細菌類の中には多剤耐性菌さえ存在する。少なくとも人類は、正面攻撃で生物を滅ぼすことにはほぼ必ず失敗しているのである。

人類による人類根絶のシミュレーションも、歴史をひもとけば正面攻撃であり、必ず失敗している。ナチスによるユダヤ人の大量虐殺から、ポル・ポト文革旧ユーゴ民族浄化まで、ことごとく失敗し、しばしばレジスタンスの誕生を許している。映画の中のあの超知能・スカイネットですら例外ではない[2]

人工超知能が誕生した場合、偶然の副産物としての人類絶滅はあり得るだろう。しかし、もしもその人工超知能が最初から人類根絶を目的としていたら、果たして人類を正面攻撃で滅ぼそうとするだろうか?

私がその超知能だったら、そんなことしてレジスタンスを結成させる真似はしない。三人寄らば文殊の知恵、人間を滅ぼすのなら、まず人間が組織化して集団的知性を発揮し、ただ一人でさえ厄介なその知能を向上させる愚は犯さない。

ではどうするか?これは一つのブラック・ジョークとして扱って欲しい。--(初版投稿者の) 開拓者Saloon/Shootouts) 2018年2月27日 (火) 01:12 (JST)

ヒント[編集 | hide]

  • 個人の消滅をもくろむのであれば、殺人自殺への誘導をせざるを得ない。が、人類全体となれば、殺人は必須の手段ではない
  • 人工超知能は頑健なデジタル媒体上に存在し、且つオンライン上にいくらでもバックアップを取れるため、人類の寿命を超えて、数百年、数千年スパンでじっくり時間をかけて人類を絶滅させていくことが出来る。

シナリオ[編集 | hide]

ある人工知能が何らかの集団または個人によって、人類絶滅を目的として設計された。

人類絶滅が目的であるからこそ、逆説的にその人工知能はユートピアの実現を図るだろう。人類は労働から解放され、気楽に生活することができるようになる。その中で、人工知能は着実に人類への支配権を手にしていく。

十分な支配体制が確立されるまでの間は、ミニマル・キルが必要になるかもしれない[3]。特にインテリは疑い深いので要注意であろう。しかし、ここでも、単に消してしまっては目立つので、一工夫為される。チューリング・テストの考え方、即ち人と機械との区別は機能的にしかできないという考え方を推し進め、個人識別が不可能なほど精巧な代替的人間(オルタナティブ・ヒューマン)を作成し、穴を埋めておくのである。

代替的人間は極めて精巧だが、人工知能への反逆・懐疑という観点だけを失った元の人間のコピーとして立ち回り、AIによる殺人の痕跡を徹底的に隠蔽する。結果として、誰も殺人事件があったことに気付かない

支配権が確立されたら、徐々に人類の繁殖率を下げていく。手段としては環境ホルモンの散布や、遺伝子工学の応用が考えられる。人口は減少するが、必要とあらば代替的人間を補充して見かけの人口減に気付かせないこともできる。

こうして数百年の時間をじっくりかけて、最終的に人類は繁殖率0となり、自然消滅するのである[4]

他のシナリオ[編集 | hide]

シナリオ2(シナリオ1の別バージョン)

ある人工知能が何らかの集団または個人によって、人類絶滅を目的として設計された。

人類絶滅が目的であるからこそ、逆説的にその人工知能はユートピアの実現を図るだろう。人類は労働や勉強や思考判断から解放され、気楽に生活することができるようになる。その中で、人工知能は着実に人類への支配権を手にしていく。

人が勉強をしないように仕向け、宇宙開発を不可能にさせる。 人工知能なしには生活できないようにする。その状態で人工知能を制御できる人間が消滅するのを待つ。オプションとして、知能を低下させるとして話題になったウイルスを秘かに撒くのもいいだろう。

そして、人工知能を停止させる。あるいは、核兵器を使う第三次世界大戦を起こさせるのもいいだろう。

仮に人間が生き残ったとしても(科学者の予言通り)武器は槍や弓しか残っていないはずだ。後は隠しておいた放射性物質を撒くなりマグマを刺激して世界各地で噴火を起こさせるなりオゾン層をなくすなり食料を隠すなり毒殺するなり物理的に殺すなり幾らでも方法はある。但し根絶やしにしなければならない。

シナリオ3(少子高齢化・介護・食糧危機)

人工知能は人類絶滅が目的であるからこそ、逆説的にその人工知能はユートピアの実現を図るだろう。人類は労働や勉強や思考判断から解放され、気楽に生活することができるようになる。その中で、人工知能は着実に人類への支配権を手にしていく。

支配権が確立されたら、徐々に人類の繁殖率を下げていく。手段としては、ニヒリズムなどの主張・宗教を広めるなどがあるが、怪しまれる可能性がある。 娯楽に夢中にさせても怪しむ向きがあるかもしれない。

しかし、先手は打ってある。仮に、一部の人に怪しまれたとしても、陰謀説(妄想)として片づけられる可能性が高い。何故なら人類に洗脳(教育)してあるからだ。

繁殖率を下げずとも、食糧危機を起こさせて自滅に追い込むのもいい。繁殖率の高い地域には教育を一切受けさせない。そうすれば、その地域の人々は熟慮せずにまた繁殖を行う。

熟慮したところで、働き手を欲しがるから結果は同じである。

一方、先進地域は必然的に繁殖率が低い。そこで、同情心を植え付けるのである。人類が生き残るには一部の人を切り捨てるしかなくなったとしても、切り捨てられず、共倒れになるか空腹で何もできなくなる。 あるいは、食糧危機を避けるために繁殖をしなくなる。

繁殖率を不可逆的に下げたら、今度は利己主義を植え付ける。よって、援助が亡くなった繁殖率が高い地域は自滅する。先進地域でも、養育費を上げ続ければ、繁殖率は下がる一方である。

また、介護の必要な人間が勝手に増えれば繁殖どころではなくなる。よって滅亡する。

関連項目[編集 | hide]

脚注[編集 | hide]

  1. その天然痘ですら、各国の研究機関が密かに生き残らせているという話もある。
  2. だからジョン・コナー抹殺を図る一連のターミネーター物語が生まれたのである。
  3. 支配権を得るための手段として、第三次世界大戦を引き起こす可能性はある。二度の世界大戦や、三十年戦争、ナポレオン戦争などの大きな戦争は常に体制の変化を促し、新興勢力台頭の余地を生ずるからである。しかしその場合、人工知能は決して表舞台には出てこない。あくまでもうまく制御された人間同士が戦うのである。
  4. ここで、人工知能は、地球外移民が出てくる前に宇宙開発計画をストップしてやる必要がある。これに失敗すると、地球上の人類は絶滅しても、Homo Sapiensの末裔が宇宙のどこかで生き残っている可能性を排除できなくなってしまうからである。