ガラパゴス化

出典: 究極の八百科事典『ウソペディア』

ガラパゴス化(がらぱごすか)とは、進化論における地理的隔離説の効果を端的に示す表現である。生物学的な進化のみならず、文化的遺伝子であるミームの進化論に対しても適用できる。

概要[編集 | hide | hide all]

進化論の中核理論の一つである自然選択説を提唱したチャールズ・ダーウィンが、この説を思いつくに至った一因に、ガラパゴス諸島歴訪と、各地のフィンチ類の独自進化の発見とが挙げられる。

このような進化が可能になったのは、ガラパゴス諸島が島嶼地域であり、地理的な隔離による遺伝子プールの分離が実現していたためと考えられる。一般に、島嶼部では地理的隔離が原因で独自進化が起こりやすい。そこから、このような現象を最初に発見された場所の名にちなんで、ガラパゴス化と称するようになったのである。

生物学におけるガラパゴス化[編集 | hide]

生物学的なガラパゴス化は、島嶼部に限らず、新世界・旧世界の二大大陸から隔離されている、オーストラリア大陸や南極大陸でも見ることができる。例えばオーストラリアは他地域に比べて有袋類が繁栄していることで知られている。

日本のような島国では、本土と呼ばれる地域から離れた島でもガラパゴス化が見られる。西表島に生息するイリオモテヤマネコや、小笠原諸島・奄美諸島の固有種などがその典型である。ちなみに、この日本の本土自体も、ニホンザルなどの固有種が生息するガラパゴス化の進んだ地域となっている。

文化的なガラパゴス化[編集 | hide]

文化的なガラパゴス化は、民族意識の高まりや国民国家の形成によって、各国レベルで進んでいた。しかしながら、インターネットの普及に伴い、多くの国では再び文化的混交が進展し、ガラパゴス化が解消されつつある。

数少ない例外の一つとなっているのが、日本である。日本の場合、高度経済成長によって20世紀時点でそれなりの先進国として成熟したことと、グローバルな支配言語である英語ではなく日本語を母語とし続けていることとが重なっているため、グローバル化を推進する動機は弱く、障壁は高い。このため、日本はグローバル化から離脱し、独自の文化を育てることとなったのである。

代表的な日本のガラパゴス化したミームには、アニメ漫画ガラケーが挙げられる。このうちアニメと漫画は日本発の文化としてそれなりに世界に発信されているが、ガラケーはスマホに押されており、それほど普及していない[1]。この他、ユーモアの研究に没頭して先鋭化した日本語版アンサイクロペディアも、文化的なガラパゴス化の例と捉えることができる。アンサイクロペディアの場合は、一般的な日本国民からすら乖離してしまったため、半分ほど過疎ペディアに足を突っ込んでしまう状況に陥っている。

アメリカ合衆国も、元々はグローバル化の推進国家であったにも拘らず、今ではガラパゴス化の傾向がみられる。これは、ドナルド・トランプ大統領の政策の影響で、メキシコとの間に壁が立ったり、宗教の異なる市民が追放されたりして、文化的な純化が進んでしまったからである[2]

同じく英語圏の代表的国家であるイギリスも、EUからの離脱を決定するなど、若干ガラパゴス化に向かう傾向が見られている[3]

脚注[編集 | hide]

  1. しかし、日本国内では今なおそれなりの支持がある。
  2. これに対しては、都市部を中心に反対の声が強く見られる。
  3. 19世紀のイギリスは、「光栄なる孤立」をポリシーとしており、ある意味では極度にガラパゴス化された国家だった。その意味では、元の姿に立ち戻りつつあるだけとも言えよう。

関連項目[編集 | hide]