コウメ太夫
コウメ太夫(こうめだゆう)は、ソニー[1]の人型ランダム文章生成マシーン。
概要[編集 | hide | hide all]
歌舞伎の女形のような見た目で、甲高い声で歌いながら奇妙な踊りを見せ、生成した文章を出力するだけの無用の長物アンドロイド。生成される文章は『コウメ日記』と呼ばれる。
その奇抜さから注目を浴び、2005年にエンタの神様で取り上げられたことがきっかけに大ブレイク。その後はお笑い方面で細々と稼働し続けている。
歴史[編集 | hide]
少なくとも1972年の時点では開発が始まっていて、1995年時点では梅沢富美男劇団でベータテストが行われていたとされるが、詳細はよく分かっていない。
上述の通り、2005年にエンタの神様にて「小梅太夫」として初お披露目され、大ブレイク。2006年には、出力の様子を録音したCDが発売され、2007年には着うたがプラチナ配信大賞を受賞するなど、大きな経済効果をもたらした。
2009年、占い師から「小梅をコウメに変えないとトラックに轢かれる」と言われたことで、名称が「コウメ太夫」に変更される。この頃にはメディア露出も少なくなり、懐かしの製品扱いされることが多くなった。
近年はTwitterのボットとして稼働しており、「まいにちチクショー」と題して文章生成を行っているが、どれも支離滅裂なものとなっている。が、これは機械が生み出せるシュールの限界を探るために意図的に行われているものである(#機能も参照)。
機能[編集 | hide]
起動時には毎回「わたくし、狂い咲きコウメ太夫と申します。徒然なるままに書き散らした『コウメ日記』、お聴き下され~」という長い口上が流れ、その後「ちゃんちゃかちゃんちゃん ちゃちゃんちゃちゃんちゃん」というお囃子のようなメロディが2回繰り返される[2]。これらの前フリが終わると、ようやく本来の用途であるランダム文章生成が始まる。
生成される文章は、「(A)と思ったら〜 (B)でした〜」という形をベースとし、AとBにランダムな単語を当てはめたものになっていて、文章生成が終わると、ほぼ100%の確率で「チクショー!」と叫び声をあげる。これは、コウメ太夫自身が生成結果に納得していないことを表しており、矢継ぎ早に次の文章を生成するのもそのためである。なお、会心の出来だった場合は「ウレチー」と言うらしいが、滅多に起こらない[不要出典]。
当初は、AとBの単語は意味や特徴が近いものを選ぶよう設定されていた(例:露天風呂だと思って入ったら水たまりでした)が、近年は人工知能の目覚ましい進化に敢えて逆らい、ランダム要素を強めて無関係な単語や意味不明な文章を出力するよう設定されている(例:カレーを作ったと思ったら、出来上がったら本棚でした)。これは、人工知能が人間を超えるとされるシンギュラリティなどに関連する極めて重要な実験であると同時に、人間には生み出せないようなシュールを機械が生み出すことはできるか、という芸術的側面も持っている。そのため常人には理解不能であるが、無意味なものに意味を求める哲学者や考察厨からは人気があり、研究対象となっている。
近年は、内蔵メモリの容量低下により、左腕部分に書かれた文字を認識して、それを再生する形が取られている。こうなると、本当にコウメ太夫が文章生成を行っているとは考え難いが、前述の通りそれらの内容は人間には理解不能であるため、コウメ太夫ゴーストライター説は未だに立証されておらず、気にする者もいない。
本来と異なる使い方[編集 | hide]
ワードセンスがあまりにポンコツであるため、コウメ太夫は本来と違った形で使われることがある。その一つとして、マシーンであることを生かしたアパートの管理業務が挙げられる。が、アパート自体が4800万円し、月あたりの収入が35万円であることから、利益が出るまで30年かかるらしい。やはりポンコツである。
本来と異なる使い方の中で最も優れているのが、ダンスである。とは言っても、ロボットダンスではなく、マイケル・ジャクソンを彷彿とさせるキレッキレのもので、特にムーンウォークを得意とし、2013年に神奈川県横須賀市で行われた『第一回ムーンウォーク世界大会』では、ロボット工学部門ではなくお笑い部門で準優勝を飾った。何とも中途半端である[3]。