ゴジラ
この項目では、ゴジラシリーズ全般について説明しています。その他の用法については「ゴジラ (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
ゴジラ(英:Godzilla)とは、日本の怪獣、または怪獣映画。
概要[編集 | hide | hide all]
1954年、ビキニ環礁での水爆実験で第五福竜丸の乗員が被ばくしたことを受けて作成された、元々は反戦映画。初作『ゴジラ』は戦後10年も経っていない時期に作成されたこともあり、戦争の影響が色濃く残っている[1]が、アンギラスが登場した1955年の第二作『ゴジラの逆襲』以降は、次第に怪獣プロレスの様相を呈し、1964年の第4作『モスラ対ゴジラ』を最後にゴジラは悪役であることすらやめ、同年の『三大怪獣 地球最大の決戦』以降、所謂「昭和ゴジラ」はシェーも解するユーモア溢れる正義の味方役になってしまった。
この方向性は、短期的に見れば子供ウケしたようだが、思う存分派手に暴れ回る怪獣が見られなくなったことや、東京タワーを先にへし折ったのがモスラだったこと、ウルトラマンというはっきりした正義の味方がお茶の間で簡単に見られるようになったことなどから、昭和ゴジラの人気はやがて衰え、1975年、『メカゴジラの逆襲』を機に、ゴジラは一度銀幕を退いた。
しかし、こうなると大衆はやっぱりゴジラが懐かしくなってきたのか、1984年、当時の時代状況に応じてリメイクされた新生『ゴジラ』が封切りされ、初作のリリースが昭和であるにもかかわらず、「平成ゴジラ」と呼ばれるシリーズが開始される。このゴジラは、84年時点では昭和ゴジラとほとんど変わらぬ見た目だったが、何故か1989年の『ゴジラvsビオランテ』から急に凶悪さを増した見た目に変わったため、恐らく昭和ゴジラとは生物学的には別種である。単独ではキングギドラ一匹倒せなかった昭和ゴジラを上回るサイズ・強さを誇っていたが、三枝未希なる「理解者」が現れてテレパシーでコミュニケーションを図ったり、子供[2]に注目の目が行ったりして、結局悪役としては煮え切れず、1995年、『ゴジラvsデストロイア』でメルトダウンを起こし死亡し、後にはその子供のみが残ることとなる。
ゴジラはシリーズ化すると悪役として煮え切らなくなっていく、という教訓を得て、1999年封切りの『ゴジラ2000 ミレニアム』以降は毎回世界観が変わる展開となる[3]。いずれの世界でも、1954年の初代ゴジラだけは存在しているが、昭和ゴジラ、平成ゴジラは無かったことにされているのが特徴である。2000年公開の『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』では何故か日本の首都は大阪になっており[4]、2001年公開の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』では、何故かモスラやギドラが守護神で、バラゴンも含めた三体の守護神が皆結合するとキングギドラになるという、これまたシュールな設定になっている。あまりにも世界観がぶっ飛び過ぎたことでこれまたファン離れを引き起こし、慌てて2002年『ゴジラ×メカゴジラ』で別の東宝作品『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(1966年)の伏線まで引っ張ってメーサーとメカゴジラを投入し、翌年の『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』まで連作してみるも、流れは止められず、2004年、『ゴジラ FINAL WARS』で、昭和シリーズから含めた怪獣を奏出演させて、一度は全て終わった…はずだった。
ところが、ゴジラはアメリカでもウケており、1956年、初作のリメイク作品『怪獣王ゴジラ』が作成されたほか、数作を東宝と共同制作したり、ジュラシック・パークの制作を行ったりすることで特撮とCGの技術を蓄積してきた彼らは、1998年満を持して『GODZILLA』を制作した。こちらで出て来たゴジラは、当初ゴジラだと思われていたが、登場シーンの迫力や繁殖力の割りに小柄で生命力が弱かったことから、これはゴジラとは別種だと東宝も認めざるを得なかった。このため、FINAL WARSではわざわざシドニーをジラという別名で襲わせている。
この失敗のせいで米国ゴジラは一時封印されたが、2005年に2度目のリメイクとなる『キング・コング』を成功させたことで自信回復し、東宝が2004年に制作をやめてしまったことを惜しんで、その制作権を買い取り、2014年には再び『GODZILLA』を制作する。真のゴジラでもビル影に埋もれてしまうニューヨークではなく、ハワイやカリフォルニアを襲わせたことや、今度こそ生命力が十分だったことが良かったのか、こちらはヒットし、今度はもう一度日本でゴジラを作ろうという機運となり、震災復興をイメージしたリアリズム映画としての『シン・ゴジラ』が2016年に封切りされる。これもまたブレイクし、勢いに乗ったためか、2017年からは、CGアニメ版GODZILLA三部作が次々と制作・発表され、今に至ることとなる。
怪獣[編集 | hide]
ゴジラ[編集 | hide]
怪獣王。シリーズの主役である。しかし…。
初代[編集 | hide]
どこぞの島に「海中に潜む伝説の獣」的な扱いで伝わっていたなんかデカイ奴。アメリカの核実験で目を覚ましたが敗戦国なので表沙汰にできないという政治的な厄介者。最後は芹沢大助博士がオキシジェン・デストロイヤーで溶かしてしまったが、博士もその兵器の設計図ごと自らの身を葬り去る。
昭和[編集 | hide]
1955年に逆襲し、アンギラスを倒すなど大暴れするが、氷の山に閉じ込められて一旦活動休止。後に復活し、やたら生命力が強いキングコングと互角に戦うが、何故かこの頃は電流を弱点としていた模様。モスラにやり込められ、キングギドラも単体で倒せないなど、怪獣王としては弱すぎる。が、知能はそれなりに高く、シェーをする能力を持ったり、人間との共存を図ったりすることもできる。後には怪獣島を住みかとするように。
ミニラ[編集 | hide]
ゴジラの息子。ルックスも光線も軟弱。何故かFINAL WARSにも登場するが、成長していないことから、本当に息子なのか疑わしくもある。似たようなスタンスのベビーゴジラなんてのもいる。ゴジラジュニアとかも。
平成[編集 | hide]
1984年、昭和ゴジラを無かったことにして新宿を破壊したゴジラ。火山に落とし込まれて一度は活動停止したが、ゴキブリも驚きの再生力を誇るG細胞がゴジラから離脱した結果、新たな怪物ビオランテやスペースゴジラを生み出すなど、中々恐ろしいところがある。未来人が操る新生キングギドラなどは普通に倒し、仇敵オキシジェン・デストロイヤーの能力を有するデストロイアも倒したが、モスラ戦ではやり込められ、まだ怪獣王としては若干弱いと言わざるを得ない。
ミレニアム[編集 | hide]
×メガギラス[編集 | hide]
大怪獣総攻撃[編集 | hide]
×メカゴジラ[編集 | hide]
FINAL WARS[編集 | hide]
14米ゴジラ[編集 | hide]
シン・ゴジラ[編集 | hide]
尻尾からも光線を放つ、超凶暴なゴジラだが、その凶暴さ故にすぐ燃料不足に陥り、あっさり冷凍されてしまった。
GODZILLA[編集 | hide]
怪獣オブ怪獣として出現し、怪獣を壊滅させ人類を宇宙に蹴り出したシリーズ最大スケールのデカイ奴。
モスラ[編集 | hide]
MOTHERのアナグラムが由来とも言われるMOTHRAは、基本的には善玉怪獣。ただし、怪獣映画で初めて東京タワーをへし折ったという、ゴジラ顔負けの偉大な罪過もある。幼虫はゴジラ戦で極めて勝率が高いため、実はゴジラ・キラーでもある。
成虫[編集 | hide]
インファント島の守護神だが、時折別のプロフィールを持つことも。独立シリーズではキングギドラにも勝利しているものの、ゴジラシリーズ中ではそんなに強くはないため、悪役ゴジラの前には基本的に殺される運命。但し、善玉怪獣なので、ゴジラが正義の味方として振る舞う昭和シリーズなどでは生存率は高め。
幼虫[編集 | hide]
ゴジラの動きを意図によって封殺し、対ゴジラ戦での勝率は非常に高い。但し、殺傷力不足なので、ゴジラへのとどめを刺すこともできないようだ。
突然変異種[編集 | hide]
バトルモスラ、略してバトラと呼ばれる突然変異タイプ。『怪獣M』とも呼ばれ、全体的に毒蛾としか思えない姿をしている。隕石を破壊する役割を持つ癖にゴジラに敗れ、結局モスラが尻拭いする羽目になった。
キングギドラ[編集 | hide]
宇宙怪獣であり、未来人が生み出した怪獣であり、時には守護神にもなる。ゴジラにとって最大のライバルと目されがち。
昭和[編集 | hide]
ゴジラは単体で倒すことができない。地球よりも発達した金星文明を滅ぼし、空を飛び、三つの頭それぞれから強力な引力光線を放つなど、そのスペックはチート。実は昭和シリーズでは最強の怪獣なのだが、正義の味方になったゴジラがチーム戦を仕掛けるというこれまた汚いプレーをするため、大抵勝てないで逃げ出す羽目になる。
ゴジラファンに言わせれば、キングギドラはギドラの王であって怪獣の王ではないので、ギリギリの所でゴジラが怪獣王としてのメンツを保っているのだとも言われる。
平成[編集 | hide]
未来人が持ち込んだペット「ドラッド」から生まれたが、強化された平成ゴジラの敵ではなく、サイボーグ化されたメカ・キングギドラとして戦っても、やはり勝てずじまい。ミレニアムシリーズでも大した活躍は見せず、弱体化したと言わざるを得ない。
FINAL WARS[編集 | hide]
直接的には登場しないが、モンスターXが変形したカイザーギドラは、宇宙人が作り出したキングギドラの上位互換種としてゴジラを追いつめ、昭和シリーズにも引けを取らない活躍を見せた。轟天号のサポートがなければ、ゴジラは勝てなかったことだろう。
キングコング[編集 | hide]
1962年の第三作『キングコング対ゴジラ』で友情出演したほか、いくつかの東宝作品にも登場する。元々は1933年のアメリカ映画『キング・コング』で、(後のリメイクを知る人からすれば意外なことに)一切美女から同情されることなくエンパイア・ステート・ビルの頂上で射殺されたのだが、東宝版ではゴジラとほぼ互角に戦うなど、生命力が異常なほど強化されており、対米配慮がこんなところにも出ていることが窺われる[5]。
アンギラス[編集 | hide]
ゴジラの最初のライバルだが、その後はFINAL WARSを除き良き友の役回りとなる。対立するには弱すぎたからだろう。
ラドン[編集 | hide]
空の大怪獣。結構よく出てくる割りには存在感が薄い。
メカゴジラ[編集 | hide]
メカゴジラ。技術力の結晶、あるいは無駄遣い。割と現実世界での東宝の、困った時の最終兵器としての側面があるかもしれない。
昭和[編集 | hide]
宇宙人が作った悪役。
平成[編集 | hide]
未来人が作ったメカキングギドラを参考に作られた防衛兵器。しかし負けたメカを参考にした所で、勝てる訳もないことに政府は気付かなかったようである。大艦巨砲主義で大和を建造した頃から変わらないことで。
機龍[編集 | hide]
初代ゴジラの骨を使って作った防衛兵器。ゴジラの骨には生きた中枢神経系が含まれているらしく、時々制御不能となって暴走する。
モゲラ[編集 | hide]
メカゴジラの陰に隠れてしまい、すっかりマイナーな地球防衛ロボット。タモリの持ちネタ「ハナモゲラ」の方がずっと有名。『VSスペースゴジラ』では合体ロボになった。スーパーXシリーズの後継。
ジェットジャガー[編集 | hide]
本来は自立運動などできないポンコツだったはずが、ひょんなことから巨大化して戦うヒーローになる。しかし役目を終えると、またポンコツに戻ってしまった。見た目はどう見てもウルトラマンの劣化二番煎じ、巨大ロボという発想は鉄人28号かマジンガーZの二番煎じにしか見えないのだが、それは言ってはいけない。
ガイガン[編集 | hide]
腹に回転刃が付いていていかにも強そうなルックスのサイボーグ怪獣。宇宙人が送り込んだ存在。結構強敵だが、キングギドラやメカゴジラに比べると存在感が薄い。
クモンガ[編集 | hide]
巨大虫怪獣はモスラだけで十分。そうは言っても、一応分類が違うだけカマキラスよりはマシか。
カマキラス[編集 | hide]
モスラだけで十分。昆虫類でクモンガよりも更に近縁なので救いがどこにもない。
ヘドラ[編集 | hide]
公害怪獣。しぶとさだけはゴジラ顔負け。
ビオランテ[編集 | hide]
バラとG細胞と本来可憐だったはずの少女とが融合したキメラ。いかんせん半ば植物の怪獣なので動きが鈍く、大して強くはない。
スペースゴジラ[編集 | hide]
G細胞が隕石に付着し、なんか生き物になっちゃったゴジラ。宇宙から来た怪獣は大体強く、平成シリーズで弱体化したキングギドラに変わる強烈な存在だったが、またもゴジラが連携プレイしたため破壊されてしまった。
デストロイア[編集 | hide]
ミレニアムを記念し登場したものの、体調不良でメルトダウン寸前だったゴジラにさえ勝てなかった。むしろメルトダウン寸前で馬鹿力が出ていたからかもしれないが、それにしてもかつてゴジラを葬ったオキシジェン・デストロイヤーの力を受け継ぐものとしては今一つの結果と言わざるを得ない。
メガギラス[編集 | hide]
巨大トンボ。だから昆虫怪獣はモスラだけで十分だってのに。