バケットシート

出典: 究極の八百科事典『ウソペディア』

バケットシートとは、主に椅子に装備される座布団の一種。また、使い古した座布団のこと。

概要[編集 | hide | hide all]

一般に座布団は、使い続ければ続けるほど座っている中央部が凹んでいき、その外側にへりが生まれてしまう。これは座布団の度重なる使用により、座布団に詰められている綿が外側に寄ってしまうために発生する。普段の使用者は違和感を感じないが、初めて座る人間にとっては中央部の綿が薄く硬く感じてしまい、その座布団に座ることが苦痛となってしまう。さらに普段の使用者にとっては、硬い座面に腰をかけ使い続けることで神経痛腰痛心筋梗塞アレルギー肺炎宇宙人恐怖症にかかるおそれがあり、とても危険である。これは座布団発明の時代より大いなる問題と認識されてきたものの、今も有効な解決策は導けていない。

しかし近年ではそのような座布団の習性を逆手に取り、最初から中央部が凹んでいれば、腰に余計な負担をかけずに済むのではないかという発想の座布団、バケットシートが登場した。座面が最初から凹んでいることで座った当初は違和感が生じるが、長時間座っても形が変わりにくく、落ち着きやすいということでバケットシートは一躍人気になった。特に長時間の着席が必要になるデスクワークや交通機関において効力を発揮し、現在では専ら椅子の座面部分に採用されているケースが多い。

用途[編集 | hide]

先にも述べた通り、主な使用用途は椅子のシートであるが、とりわけ有名なのは自動車や鉄道車両、航空機に設置されているタイプである。これらの交通機関は特に長時間の移動や着席が想定されているため、着席者の負担を和らげるために設置している。 また、このバケットシートは座面の外周部が盛り上がっているために、半ば自動的にシート1つに対して1人が座るような構造をとっている。そのため、鉄道車両にありがちな1人で3人分の座席を占有する人、1つの席を3人で共有する人々、1つの席を占有するなどを防ぐことができている。中にはシートとシートの合間、盛り上がっている部分に座る人も存在するが、三角木馬よりも鋭い盛り上がっている部分に着席する人間は相当なドMであるため、近付くべきではない。

開発された当初は「たまには腰に負担をかけたほうが運動になる」ということで、バケットシートの中には1つ、ハズレの座席を用意するというのが一般的であった。しかしながらクレーマー社会となった昨今では、そのようなハズレ席は用意されていないケースが多い。

問題[編集 | hide]

近年コストカットの時代を迎えた世間は、バケットシートにも容赦なく経費削減を求めることとなった。具体的には座布団に使用する綿の量を減らし、材質を安価なプラスチックにし、座布団の外の布を使いまわした。その結果、木の椅子よりも硬く座ることがままならないようなシートが多く登場することとなった。鉄道車両には特に顕著に経費削減の効果が表れ、誰もが座ることを拒み立ち続ける現象までもが発生した。そのため高齢者などの着席を必要とする方々がより座りやすくなったということでイグノーベル賞の受賞候補にも選定されたが、「あまりに高齢者の腰に負担がかかりすぎて、椅子から立ち上がれずぎっくり腰になる」ということで受賞はならず、代わりに救急車が駆け付ける事態となった。

関連項目[編集 | hide]

  • 走ルンです - バケットシートが石のように硬くなった一番有名であろう例。