モダンPC

出典: 究極の八百科事典『ウソペディア』

モダンPCとは、近代化改修に近代化改修を重ねて、現代技術について行けるような性能を、なんとか維持しているコンピュータ

市販デスクトップPC[編集 | hide | hide all]

市販の場合は、稟議書を通す関係上、10万円や20万円というキリのいい値段までの予算範囲に合わせて製造されている。外観は、今時の流行に合わせた流麗な外見であることが多いのだが、箱は10年前から大きく変わっていないところに、無理に寸法を合わせ、現行の部品が大量に組み込まれて製造されている。CPUのグレードを上げるところで力尽きた結果として、機械音痴な担当者の愚挙によりCeleronが採用されたり、メモリが4GBしかなくマザーボードじか付けで拡張不可能だったりする。

大抵の平社員にあてがわれるコンピュータは、フルタワーなどの巨大機種は、とうてい机の広さ的に許容されない。このため、無理に薄型の本体へ部品を詰め込んだ本体内部では、ライザーカードを使用して無理矢理に拡張バスを引き回し、電源ボタンから電源スイッチまで長い長い配線が伸びている。ストレージは空気の通らない謎の空間に押し込まれ、異次元空間を経由して引き回されている。一般社員には、その身の毛もよだつ光景が知られていないのは幸いである。

これらのコンピュータは、新品として生産されたときから、内部に、ごちゃごちゃの場当たり的な配線を大量に抱えていたことになる。

リース期限の来る頃には、大量のホコリを吸い込んだ本体を移動させるたびに、得体の知れない毛の固まりが飛び出し、ファンは異音を立て、毛むくじゃらのメモリは湿気を吸って時々漏電し、モニタには大量の唾液がしみを残し、総務の片隅には壊れた本体が大量に積み上げられることとなる。

本体からは香ばしいスモーキーな臭いが漂っている。

市販ノートPC[編集 | hide]

ノートパソコンの場合、見た目だけはやはり新品のごとくであるが、やはり個人所有でないことで、拡張性は極限まで切り詰められている。

個人用の機種と異なり、基本設計が10年も変わっていない箱に、20年来変わらないケーブルを強引に引き回して、CPUだけは最新から1代か2代型落ちの2年ほど前のもの、メモリやネットワーク関係は5年前から変わっておらず交換も拡張も不可能ときている。

大抵は、電源ケーブルが抜けた瞬間に、完全に死んでいたバッテリーは本体の電力をまかなうことができず電源が切れ、熱で傷んでいたHDDは二度と起動しないという結果に陥る。営業にとって決戦の日となった、その日に限ってCドライブに最新版が保存されたパワーポイントファイル。それを抱えたまま顧客が待つ会議室に持ち出されたノートPCのファンは、移動したことで唐突に寿命を迎える。フラットケーブルとフラットケーブルの間に挟まった大量のホコリは湿気を吸って人知れず炭化し、キーボードにはお茶がこぼされ、本体内にある、あらゆる電気接点を錆の海とし、数日間の仕事の成果と共に本体ごと昇天する結果となる。

総務にはこれまた、電源を入れると POST ERRORと表示する程度の能力を持つパソコンが、大量に積み上げられて修理を待つことになる。

自作デスクトップPC[編集 | hide]

さすがにそんな、社畜PCを使いたくない、というパワーユーザー古代語)は多いだろう。

しかし、今時は、パソコン本体のケースを買い換えるには、莫大なコストがかかる。ゲーマーの場合は、確かに中の部品は最新版だろう。十数年使ってきたストレージは、そのまま本体に取り付けられたまま、ろくでもないエロ動画をぎっしり詰め込んでほこりをかぶって鎮座している。それをいちいちつなぎ替えて、1年も経たないうちに、またどこかの部品が入れ替えられる。

OSのバージョンアップを行うたびに、どこかの機器はドライバが供給終了となったために使用できず、新しい機器と交換される。本体の中も外も。

ストレージが増えてきた結果、配線場所には余裕がなくなり、優美な機能美を誇ったガラス張りのケース内は、色とりどりのケーブルが這い回るジャングルとなる。

それにさらに、本体外をも這い回る、ケーブルたち。

香ばしいにおいを放ち、今日も明日も、動作を続けたり続けなかったりするモダンPC。

2020年初頭、Windows 7終了に伴って、モダンPCの購入を呼びかける、メーカーの広告が日本中で広められた。

しかし、その語源は、中も外も、焼きそばのごとくゴチャゴチャにからみあった配線だらけで、まるでモダン焼きのようになったPCのありさまに、ちなんだものであることは、あんがいと知られていない。