喪黒福造

出典: 究極の八百科事典『ウソペディア』

喪黒福造(もぐろふくぞう)とは、物を売ったことがこれまで一度もない、「ココロのスキマ」を埋めることを商売にしていると自称する、自称セールスマンである。人呼んで「笑ゥせぇるすまん」。

概要[編集 | hide | hide all]

この世は老いも若きもの寂しい人ばかり」と言い放ち、特に昔ながらの江戸っ子的な義理人情が、大量流入した野暮ったい田舎者によって希薄化されてしまった東京砂漠を中心に、常にタダで「ココロのスキマをお埋めする」製品を人々に使用させて回る、が異様に大きく、は取り外し可能な男がいる。

彼は名乗る。

「私の名は喪黒福造。人呼んで笑ゥせぇるすまん。ただのセールスマンではございません。私の取り扱う品物は心。人間の心でございます。
デデンデーン♪オーッホッホッホッホ!!!

販売戦略[編集 | hide]

  1. 「本日のお客様」を決める。
  2. 「お客様」と偶然を装って知り合い、機を見て「ココロのスキマ お埋めします」と書かれた名刺を渡す。
  3. 一発でオトせずとも、オトせるまで粘り強く「お客様」と関わり、「お客様」の「ココロのスキマ」を聞き出す。
  4. 聞き出した「ココロのスキマ」へのソリューションとなる製品やサービスを、タダで提供する。
  5. 「お客様」がソリューションを使用したことを確認した後、バー「魔の巣」に「お客様」を誘い込み、ソリューションへの満足度を聞き出す。
  6. 「お客様」が十分満足していることを確認したら、ソリューションの制約条件を教え、正式に契約を交わす。が、ここでもお代は頂かない。
  7. 「お客様」の契約違反を発見すると、何故か「お客様」の前にテレポートし、「ドーン」と言いながら制裁措置を加える。それでもお代は頂かない。
  8. 「お客様」は、廃人になるか、破滅的な末路をたどる。但し、「お客様」本人は案外幸せそうな場合もちらほら散見される。どっちにせよ、ついにお代は頂かないまま、「オッホッホ」と笑って立ち去る。
  9. 大事なことなのでもう一度。セールスしてソリューションを使わせているにもかかわらず、決してお代は頂かない

正体[編集 | hide]

「セールスマン」を名乗っているにもかかわらず、製品やサービスのお題を決して頂かないため、喪黒福造は明らかにセールスマンではない。本人は「ボランティアのようなものだ」とも述べるが、テレポート能力や「ドーン」の及ぼす効果は、現代科学では説明し切れず、ただのボランティアでもないことは確実である。

そこで問題となるのが喪黒福造の正体であるが、以下諸説を紹介する。

悪魔説[編集 | hide]

「ココロのスキマを埋める」と称して「お客様」を誘惑し、最終的に破滅へと導く。その有様がキリスト教世界における悪魔と人間の取引と酷似しているため、喪黒福造の正体は悪魔だと主張する説が存在する。

黒魔術師説[編集 | hide]

喪「」福造を名乗り、バー「の巣」を拠点とし、「ドーン」やテレポートなどの超科学的な技を駆使することから生まれた説である。

未来人説・宇宙人説[編集 | hide]

一連の活動は、未来人宇宙人による現生人類を対象とした心理学実験であり、喪黒福造自身も未来人か宇宙人であるとする説。

収入源[編集 | hide]

正体と関連しつつ、同じく諸説あるのが、少なくとも「セールスマン」活動では決して生じない筈の収入源である。何も売っていないにもかかわらず(そして企業に所属している痕跡もないにもかかわらず)何故か喪黒福造は日常生活を送っており、何らかの収入に支えられている筈だからである。

収入不要説[編集 | hide]

人間ではないため人間と同じ需要を持たないから、とする悪魔説支持者の主張のほか、宇宙・未来からの充分な仕送りを得ているという説、何らかの理由で膨大な遺産相続しているという説などが存在する。

逸失利益収入化説[編集 | hide]

喪黒福造の「お客様」は高確率で廃人になったり破滅したりし、そのことによって社会的観点から見た場合経済的な損失が生じる。このような損失は逸失利益と呼ばれるが、喪黒福造がこの逸失利益を何らかの方法で自らの収入へと転換させているという説である。この場合、平均的な「お客様」でも数千万円から数億円の収入源に変わるため、商売としても非常においしいこととなる。喪黒がほぼ間違いなく破滅の現場に居合わせ、かつ笑いながら立ち去っていくことなどが、その根拠であるとされている。

貨幣偽造説[編集 | hide]

「ドーン」など、様々な超科学的現象を引き起こせる喪黒にとって、紙幣硬貨の偽造などは、その正体が何であったとしても朝飯前であろう。それに実際に手を染めている、という説である。

対策[編集 | hide]

「お客様」に選ばれてしまった場合、破滅を避けたり、断ったりすることに成功したケースは1例しか確認されておらず[1]、有効な対策は今のところ存在しない[2]

そもそも「お客様」に選ばれないようにするためには、「ココロのスキマ」を自力で埋め尽くす必要があるが、その目標は極めて高く、殆どの人にとって非現実的である。「ココロのスキマ」の大半は自力では埋められないか、不十分に埋めて諦めるしかないものであるため、こちらの方面でも、十分に有効な対策は今のところ存在しないと言わざるを得ない。

脚注[編集 | hide]

  1. 喪黒自身が約束を破ったことで破滅が避けられたケースも1例のみ確認されている。
  2. 契約を遵守しろ、などという精神論は無意味である。

関連項目[編集 | hide]