涼宮ハルヒの憂鬱 (4)
この項目では、アニメ第一期を扱った(3)に続き、アニメ第二期について説明しています。その他の涼宮ハルヒの憂鬱については「涼宮ハルヒの憂鬱 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
涼宮ハルヒの憂鬱(すずみやはるひのゆううつ、英:The Melancholy of Haruhi Suzumiya)とは、涼宮ハルヒ超監督の指揮のもと、SOS団の支部と化した京都アニメーションが制作した、涼宮ハルヒとゆかいな仲間たちのドタバタ劇を描いたドキュメンタリーアニメである。ここでは、第二期の各話を解説する。
第一期からの変更点など[編集 | hide | hide all]
ハルヒ超監督は、第一期であまりに多くの凡人が、『憂鬱』を縦糸、その他のエピソードを横糸とした、ランダムに見えて天才的に構成されている時系列を整理するのに失敗したことに失望したらしく、第二期ではすべてが時系列順に変更されている。その中で第一期の内容も取り込まれているが、繰り返しが欲しいなら別のところで用意されているので、ここでは第二期で新たに加わったエピソードのみを紹介する。
第八話 笹の葉ラプソディ[編集 | hide]
織姫・彦星ことベガ・アルタイルに対し、往路の願いにだけ特殊相対性理論を適用する珍妙な物理学[1]に基づき、16年先と25年先の願いをするところから話は始まる。
ハルヒは七夕祭りを終えると、思い出し憂鬱にかかってしまうが、その正体は数分後に判明する。
俗物的な願いしか思いつかないしょうもない俗物キョンの目を覚まさせるため、そして後に世界が改変されてしまったときにキョンが記憶を共有できる相手を作っておくためという理由で、朝比奈みくるがキョンを3年前の七夕に飛ばし、宇宙語のメッセージ、「私はここにいる」を描く中学時代のハルヒを手伝わせたのである。そして、キョンはジョン・スミスを名乗り、中学生のハルヒの心の中に記憶と希望を刻み込んだ。
だが、高一の4月にちょっとキョンに質問してみても芳しい反応が得られなかったハルヒは、未だにジョンとキョンが同一人物であることに気付いてはおらず、年一回の頻度で再会できる織姫と彦星をうらやむのであった。
第十二話 エンドレスエイト[編集 | hide]
ハルヒがちょっとエネルギッシュで、エネルギッシュ過ぎるハルヒに振り回されているうちにキョンが宿題をやりそびれるというだけの、一見すると普通の夏休み。しかしなぜエンドレスなのだろうか。
第十三話 エンドレスエイト[編集 | hide]
何かがおかしい。デジャブに襲われたキョン達が夏休みのループしていることに気付きながら、そこから抜け出せないで終わった15498回目の夏休み。
…ん?15498?おかしいでしょ。原作では、15498回目は脱出シークエンスだったはずなのに…。
とざわめくOTAKUか否かで、ハルヒファンとしてのレベルを図るハルヒ超監督が課した試練。
第十四~十八話 エンドレスエイト[編集 | hide]
にわかファンやハルヒをただのツンデレとしか見られない浅薄なことこの上ないSOS団入団志望者を振り落とすための入団試験。本来であればシークエンスの微妙なタイミングや服装、せりふ回しの違いを正確に記憶し、長門が堪え証しするよりも前にどの話が何回目のループなのかを見抜くべきなのであるが、所詮一億二千万の人口プールの殆どはただの人間であり、キリスト教のクリスマスと神道の正月と中国由来の七夕とケルト由来のハロウィンをちゃんぽんに楽しむいい加減な自称無宗教徒にとってはOTAKU道もファッションに過ぎなかったためか、結果的にその意図をくみ取れなかった大半の視聴者は一方的に憤慨して2ちゃんねるを含むネット上の各地で暴動を起こすこととなる。
これに対して、団長兼超監督閣下は、「本当は15532回の全てのシークエンスを再現して、その細かい違いとかをもっと味わってもらいたかったんだけど、みんなだらしないわね。たったの7回目でもうこんなにバテちゃうなんて。それにテレビ業界も業界よ。クールって何なのよクールって。なんであたしたちには1週間に1話ペースで28回分しか枠が与えられていなくて、しかもその半分は前に撮った映像で埋まってるのよ?エンドレスエイトをやると決めた時点で毎日24時間放送で一日48本を1年間割けば15532枠は入る[2]んだからそれくらいしなさいよね。全く、少しは文句ひとつ言わずに600年近い夏休みを存分に味わった有希を見習いなさいよ」というコメントをキョンのネクタイを掴みながら、キョンにだけ発表したということである。
芸術的には、ドキュメンタリー作品としてのリアリティーを高める超監督のリアリズム精神を称える声が存在する一方で、自己言及的な表現ならウソペディアとアンサイクロペディアで間に合っているなどという主張も存在し、その評価は賛否が分かれている。
第十九話 エンドレスエイト[編集 | hide]
超監督の芸術的リアリズムに可能な限り付き合いたかった京アニにしても、資金不足を恐れたのか世論を恐れたのか、ともかくさすがにここで収めないとさすがに危ないと判断したらしく、結果的にこの回、15532回目のループを表現した回で、エンドレスエイト編は終了する。
第二十話 涼宮ハルヒの溜息 I[編集 | hide]
朝倉の抜けた後、よりにもよってハルヒのようなイレギュラー分子もいる一年五組をまとめ上げようとする気の強い委員長キャラなど存在するはずもなく、俺たちのクラスは、来るべき文化祭は、岡部の思い付きによる「アンケート発表」でお茶を濁すこととなった。
学校によってはクラスごとの出し物なんて意欲的な有志を除くと一切存在しないところもあるらしいから、うちがそういう学校だったらきっと何も出さずに終わっていたことだろう。そんな炭酸の抜けたドクターペッパーのような何とも言えない雰囲気のクラスのことは早々に見切り、SOS団としての企画を打ち立てようとするやつなど…俺の真後ろの席にいたんだな、それが。
もちろん涼宮ハルヒである。体育祭では持ち前の運動神経を活かし、SOS団の部活対抗リレー優勝[3]に加えてクラスの総合優勝にも貢献していたハルヒだったが、ハルヒ曰く一年で最も重要な行事である文化祭については、クラスの企画に力を回す余裕がさすがになかったらしい。当日、一時間のぶっつけであんなことができたハルヒにとってはそんなのは口実だった気がしないでもないが、実際にSOS団がやったことを考えると、少なくとも俺にとっては、クラス企画に力を注がなくてよくなったのはまだしもありがたい話だったと言えなくもない。
アルプス越えを決意したハンニバルにも劣らない笑みを浮かべたハルヒは、SOS団で映画撮影を行うことを宣言する。んでもって、俺のことは名ばかりの助監督と実質を伴った雑用・編集・パシリetc.に任命しやがったハルヒは、配役決定の勢いのまま商店街へ向かい、何やら朝比奈さんを指さしながら交渉して、ただでビデオカメラと武器を調達した。その結果がどうなるか、少なくとも俺は考えたくもないね。
…それにしても、今回のあいつは本当に楽しそうだな。SOS団専用のあのスマイル、ハルヒがもっと静かで大人しかったら無条件にお似合いだと言えるんだけどな。
第二十一話 涼宮ハルヒの溜息 II[編集 | hide]
ふぇっ!?な、なんでこの話の解説担当はわたしなんですかぁぁ?え?涼宮さんがやれと言ったから?で、でも、恥ずかしいですぅ…。
あの日、必要な道具を調達した涼宮さんはとても楽しそうにしながら、初日の作業が終わったことをわたしとキョン君に告げました。一体なんでわたしは涼宮さんと一緒に行く必要があったのでしょう?
次の日になると、わたしは涼宮さんがいつものようにネットオークションで探してきた、喫茶店のウェイトレスコスチュームに比べて露出度が高くて恥ずかしいコスチュームを、いつものように無理矢理着せられました。キョン君、顔真っ赤だったな。でも、わたしも、最初は恥ずかしくても、実際着てしまうと案外楽しいんですよ?うぅ、…それでもやっぱり恥ずかしいんですけど。今回は長門さんも占い用らしいコスチュームで共演することを涼宮さんが決めたので、まあいいかな、とか思っているうちに、配役を見せられました。
わたし、あれを見て驚いちゃった。だって、涼宮さんは何も知らないか、知っていても信じてはいないはずなのに、何故かわたしたちの正体に限りなく近い役を当ててきたんですもの。キョン君が真っ青だったのでちょっと様子を伺ったら、申し訳そうだったので、そういうことだったんだと思います。キョン君が話して、それが無意識的に涼宮さんに影響を与えたのだと。
でも、それは仕方がないことです。あんなことがあった以上、古泉くんと同じで、涼宮さんにはこの世界で楽しんで欲しいのは確かですから。
あ、話が長くなっちゃいましたぁぁぁ…。ふぇぇん…。わたし、説明が下手だから…。
話を戻すと、早速ロケに行くと言った涼宮さんは、わたしたちを昨日の商店街へと連れて行きました。そこで涼宮さんは、私と長門さんに大森電器店さんとヤマツチモデルショップさんのCM撮影を行うことを告げ、私のウェイトレス姿が物足りなかったのか、結局私はバニーガールになって撮影を行いました。バニーガールだけは、今もやっぱり恥ずかしいですぅ…。
本格的な映画撮影は次の日から始まったんですが、涼宮さんの指示が全体的にハードでそちらだけで精一杯なので、もうここで次の方にバトンタッチしますね…。
第二十二話 涼宮ハルヒの溜息 III[編集 | hide]
涼宮ハルヒの情報操作能力が媒体化した映画撮影活動によって増幅された結果、朝比奈みくるの左目からレーザーが発射された。私は彼を守ることを最優先プログラムに設定してレーザーを遮蔽した結果、右手に照射されたレーザーを部分的にシールドし損ねた。
本話中、私の観測活動の中で特筆に値する現象は以上である。
このことは私にとっては問題ではないが、彼や涼宮ハルヒを含む有機生命体にとっては生命機能に危険を及ぼす可能性がある。故に今後の安定的観測活動維持のため、情報統合思念体の許可と古泉一樹の依頼に基づき朝比奈みくるにはナノマシンを注入して対抗措置を施した。
第二十三話 涼宮ハルヒの溜息 IV[編集 | hide]
昨日は最悪の一日だったわ。みくるちゃんは仮病を使ってまで撮影をサボろうとするし、キョンとはあんなことになっちゃったし…。
本当はあんたなんかにこのことを話す理由はないんだけど、しょうがないから特別に話すわ。
あたしね、SOS団が誇る萌えマスコットのみくるちゃんには、ドジっ子なのはいいけど、芯の部分でもっと強くしっかりして欲しいと思ってたの。みくるちゃんは気が弱くて、いっつも恥ずかしがってばかりで、このままだと、例えばあたしがステージまでみくるちゃんを引っ張り出した時、みくるちゃんは音速で引っ込んでいつの間にかあたしが取り残されて、何も知らない観客にあたしがマスコットだと勘違いされかねないじゃない?団長とマスコットは全く別物なのに、みんな全然そこんとこ分かってないからね。
だから、映画撮影を通じてみくるちゃんを一人前のマスコット女優に成長させなくちゃと思って、いつも以上にみくるちゃんには厳しくさせてもらったわ。みくるちゃんはまだわかっていないみたいだけど、今の努力が後に実を結んでみくるちゃんを真のマスコットにふさわしく成長させるの。あたしがそう言ってるんだからそれは確約されているわ。
キョンのやつはいつも通りなんか不満そうだったけど、あいつはいつも通りあたしについて来れば幸せになれるってまだ気づいてないのかしら?夏休みも、おかげで2週間ボーッとごろ寝しておっさんライフするよりもずっと楽しいものになったはずよ?
まあ、それはいいんだけど、正直に言うと、あたしも初めての映画撮影が楽しくて仕方がなかった。だからなんだよね。エキストラとして参加してもらった鶴ちゃんに、甘酒入りミルクを使って、みくるちゃんの演技に幅を持たせようと吹き込むことを思いついたのも。鶴ちゃんも、あの時はああなるとは知らずに喜んで同意してくれたわ。
もちろん、結果を考えると、あれはあたしのやりすぎだった。それでも、あたしにはまだ弁明の余地はあるわ。だって、原作と違ってあたしたちは多丸さんの別荘でワインを飲むことなどなかったから、「この」あたしはみくるちゃんがお酒に弱いことも知らなかった。それに、原作みたいに度数40%のテキーラを混入したわけでもない。度数1%にも満たない合法的な甘酒であんな風になるなんて、誰に予想できたかしら?
とにかく、まあみくるちゃんらしいと言えばみくるちゃんらしいんだけど、結果から言うとみくるちゃんはすごくお酒に弱くて、甘酒程度でも、それはもうひどく酔っちゃったの。それを見ていつもみくるちゃん贔屓のキョンのやつが、あいつにしては珍しく本気で怒ってきて、あたしもあんな風に言われたら退くに退けなくなって、みくるちゃんはあたしのオモチャなの、って言っちゃったの。あたしが団員のことを本気でそんな風に思う訳ないのに、あいつも頭に血が上ってたからか、それを真に受けて…。
古泉くんが止めてくれなかったら、あたし多分殴られてたと思う。それで、もう訳が分からなくなって、とにかく場を抑えないとどうにかなりそうで、反抗は許さないって気付いたら叫んでて…。後のことは、もう最悪だったから、何も言いたくないわ。でも、流石に心配だったし、鶴ちゃんと一緒にしばらくみくるちゃんの様子を見てたんだけど、どうせあいつはそのことを知らないだろうし。
どっちにしても、あたしは何とかSOS団をまとめなおさなくちゃいけない。そうしないと、せっかくここまで撮影してきたみんなの努力が無駄になってしまう。そんなの、団長として絶対に認められない。団員を一つにまとめるのがあたしの仕事なんだから。
…そういえばあいつ、ポニーテールが似合うとか言ってたな。結んでみたら、それが仲直りのサインだと気付いてくれるかしら?って、…噂をすれば影なのね。でも、何もこんなタイミングで、最初からあたしがここにいることを知っているかのように部室に入ってくることもないじゃない。
え?「この映画は絶対に成功させよう」だって?なあんだ、あいつもちゃんと分かってるんだ。なら何も言うことはないわね。いっくわよ!
第二十四話 涼宮ハルヒの溜息 V[編集 | hide]
涼宮さんと彼が大喧嘩した次の日、彼は一体何を吹き込んだのでしょうか、涼宮さんのパワーはいよいよ隠しようもなく発揮されることとなり、秋なのに並木の桜は満開になるわ、涼宮さんが選んだオスの三毛猫のシャミセン氏が人語を話し出すわで、状況は悪化していくばかりでした。このままでは、ファンタジー的状況がそのまま固定化しかねない。
観測を目的とする長門さんたちTFEI端末や情報統合思念体にとってはそこまで困らないかもしれませんが、現状維持を望む僕達「機関」や、朝比奈さんにとってはこの状況はどうにかするべきものであるはずです。
それを何とかするためには、涼宮さんに映画の内容がフィクションであることを明確に自覚してもらう必要があるのですが、残念ながら僕には、夢オチという陳腐な発想しか思い浮かびませんでした。どうも夏の一件を考慮しても、僕はシナリオライターには向かないようです。彼も気付いている通り、涼宮さんはそれに納得するはずなどない。しかし、僕には手詰まりだったので、僕は全てを彼に託すこととしました。
僕にできることは、撮影を終わらせて、映画が完成できる状態に持っていくことだけでした。
しかし、彼はやってくれましたよ。涼宮さんの映画のストーリーを一切壊さずに、かつ映画のストーリーをキャンセリングしてくれる、とある簡単な、しかし僕には思いつかなかった方法によって。
彼には感謝するばかりです。「機関」の一員としても、僕個人としても。
具体的に何をしたか、ですか?それは劇場でのお楽しみです。涼宮さんが熱心に広告を配られているようですから、ご一読していただければ助かります。
それでは、僕もそろそろクラスの出し物に戻らないといけませんので。
最後に一つだけ。何故本話のエンディングは、第一期最終話のエンディングとオーバーラップしているのでしょう。時間のループを示唆してゲームの販促を行うつもりだったのでしょうか?それとも、彼が再び涼宮さんに同じ話をしたということなのでしょうか。あるいは…。
脚注[編集 | hide]
- ↑ 珍妙に見えて実は珍妙ではありません。神は当然のことながら願いを聞き届け次第、ワームホールを使って即刻返礼する能力を有するからです。少なくとも、涼宮さんの観測結果ではそうなっています。この観測データが支持されるかは、現在「機関」の方でも情報統合思念体のTFEI端末に接触して確認していますが、涼宮さんがそう望んでいる以上、そうならないはずはない、と僕は信じていますけどね。
- ↑ 48×365=17520>15532。
- ↑ 学校側は持ち前の事なかれ主義を理由に黙認しているだけであるから、流石に名目上は「文芸部」として出場したのだった。とはいえ、コスチュームはしっかりSOS団仕様。要は俺たちが実質SOS団として出場しているのがバレバレの出方だった。
関連項目[編集 | hide]
- 涼宮ハルヒの憂鬱 - 小説版の解説・前編。
- 涼宮ハルヒの憂鬱 (2) - 同後編。
- 涼宮ハルヒの憂鬱 (3) - アニメ第一期の解説。
- 涼宮ハルヒの憂鬱 (5) - 登場人物編。
- 涼宮ハルヒの憂鬱 (6) - ハヒル的新解釈。
- 涼宮ハルヒシリーズ
- 京都アニメーション
- 谷川流
涼宮ハルヒの憂鬱 (5)に続く。
小説版 | 憂鬱 (1) - (2) - 溜息 - 退屈 - 消失 - 暴走 - 動揺 - 陰謀 - 憤慨 - 分裂 - 驚愕 | |
アニメ版他 | 涼宮ハルヒの憂鬱 (曖昧さ回避) - 時間平面理論入門 | 第一期 - 第二期 - 登場人物 - ハヒル - 消失 - ハルヒちゃん - 長門有希ちゃんの消失 - ちゅるやさん - 約束 - 戸惑 - 並列 - 直列 - 追想 - サウンドアラウンド |
人物他 | 谷川流 - いとうのいぢ - ツカノガク - みずのまこと - 涼宮ハルヒ - キョン - 長門有希 - 朝比奈みくる - 古泉一樹 - 渡橋泰水 - SOS団 - 鶴屋さん - ENOZ - 佐々木 - 橘京子 - 周防九曜 - 藤原 - WAWAWA |