虎穴に入らずんば虎子を得ず
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虎穴に入らずんば虎子を得ず(とらあなにいらずんばとらこをえず)とは、後漢で叫ばれた兵力増強のためのスローガンである。
概要
後漢の頃、北方の遊牧騎馬民族である匈奴の軍事力は、前漢の創始者劉邦を破るなどした冒頓単于の時代に比べ衰退しつつあったが、なお強大であり後漢にとって脅威になり得る存在であった。
西域の統治を任命された後漢の武将班超は、匈奴と対峙するにあたり、匈奴を破るには安定した兵力および労働力の供給が必要であると考え、人口増加政策を推し進めた。
その際に残した言葉が「不入虎穴、焉得虎子」であり、これを読み下すと「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」となる。
班超の言葉では省略されているが、この後には本来「況や人をや」という言葉が続き、
「虎は穴に入らなければ、子供を得ることができない。人ならばなおさらだ。」
という反語の意味が含まれている。[1]
日本での使用
第二次世界大戦下の日本では、兵力および労働力確保のためには恒常的な人口増加が不可欠であると考えられ、1941年に採決された「人口政策確立要項」で「産めよ、殖やせよ」とともに人口増加推進の標語として使われたことで有名となった。
終戦後は、戦争に対する反省からこの言葉が表立って使用されることがほとんどなくなったが[2]、現代の日本では、少子高齢化の進行により、社会保障費の増加や生産年齢人口の減少が社会問題になっており、一部の人々[誰?]の間でこの言葉が見直されつつある。
2007年には第一次安倍内閣のもとで厚生労働省大臣を務めた柳澤伯夫が、人口増加の必要性を訴え、「女性は産む機械である」という発言とともにこの言葉を用いたが、女性を蔑視したような戦時中の政策を肯定するかのようなこの発言は、マスコミや知識人によりセクハラであると批判され、のちに柳澤は女性に対する配慮を欠いていたとして、この発言を撤回するとともに大臣の職を辞任した。
よくある誤解
若い世代の間ではよく「虎穴に入らずんば故事を得ず」の意味を「危険を冒さなければ価値のあるものを手に入れることはできない」という意味で誤って理解されていることが多い。[3]
これは、「虎穴」を虎の巣穴、「虎子」を虎の子供のことであると誤って捉え、「虎の巣穴(危険なところ)に入らなければ、虎の子(大切なもの)を手に入れることができない」と訳してしまっていることに起因すると考えられている。
しかし、古代中国において虎の子供が重宝された形跡は無く、「虎子」が大切なものであるとするのはこじつけに過ぎないとされている。
それにも関わらず、現代の教育現場では、原義ではなくこちらの誤った意味の方が正しい意味であると捉えられ、元々の意味で教えられることはほとんどなくなっていると言われている。[4]
脚注
関連項目