鳥人間コンテスト選手権大会
鳥人間コンテスト選手権大会(とりにんげんコンテストせんしゅけんたいかい)とは、読売テレビによって開催されている競技大会。略称は鳥コン(とりコン)。
歴史[編集 | hide]
第1回鳥人間コンテスト選手権大会は1977年に開かれ、それ以降は毎年8月か9月に恒例行事として開かれるようになった。初期から2000年頃までは個人参加が大部分であり、長距離を飛行する人力飛行機は少数で、どちらかというと「どれだけ無様に落ちるか」を楽しむお笑い的な要素も大きく、ネタとして観覧するのにも適した内容であった。
しかし、2000年代に入ると、個人参加よりも団体参加が多数派となり、海外からの参加も増加してきた。結果、鳥人間コンテスト選手権大会は「どこまで人力飛行機を飛ばすことができるかを真剣に勝負するガチの技術競争」と化してしまったのである。その結果、このコンテストに人生を捧げる人を取材した「お涙頂戴」的なドキュメンタリー的な要素さえ含む物になってしまったのだ。また、真剣な技術競争になってしまったため、技術力や資金力を持っていないと新規参入が難しいという事態にもなっている。
楽しいからと言う理由で行われていた娯楽も、長く続けば楽しいから技術が上がっていく。するとそれまでにはできなかったようなアクロバティックなことが行えるようになり、本気で技術を競おうとするガチ勢も増加する。その結果、もはや「楽しい」という動機で行われる娯楽ではなくなり、素人が簡単に入り込める物ではなくなる。この類例は世界中の各所に見出すことができるが、鳥人間コンテスト選手権大会はその過程が極めて分かりやすい。
なお、2018年大会は、台風の接近により大荒れの天候となり、その結果離陸直後に墜落するチームが多発し、一時は初期の様相を彷彿させる状況となった。だが、むしろ鳥人間コンテストのために人生を賭してきた人々の大いなる挫折がクローズアップされる形となり、「お涙頂戴ドキュメンタリー的」な傾向を強めることとなった。
ちなみに、類似の経過をたどったが、あまりにも開成が連続優勝を重ねたことを受けて後に軌道修正が試みられた例として、高校生クイズが存在する。こちらの路線修正はそれなりにはうまく行っているようで、色々あってリア充にフォーカスを当てた編集が行われたり、世界旅行したりしているようである。こうなったらこうなったで、どこかのアメリカ横断ウルトラクイズの二番煎じの気もしなくもないが、鳥人間コンテストも、この前例に倣って娯楽的側面をもう少し取り戻しても良いかもしれない。