FV4005

出典: 究極の八百科事典『ウソペディア』
FV4005
アルティメット仮設トイレ
退役して展示されるFV4005
性能
全長全長
車体長7.5m[1]
全幅3.4m[1]
全高3.6mm[2]
重量51t[3]
速度32km/h(移動時)[3]
装備
  • 1950年式温水洗浄便座
  • 電気ポット
  • 紅茶カップ
副装備
  • 30口径183mm砲(総弾数12発)
  • トイレットペーパー5ロール
装甲仮設トイレ
  • 全周14mm

車体

  • 前面:76mm[1]
  • 底面:17mm[1]
乗員2名(移動時)
定員4名(使用時)

FV4005(えふぶいよんまるまるご)とは、第二次世界大戦後の冷戦期にイギリス軍が開発した戦闘支援車で、移動式の仮設トイレである。別名・愛称はアルティメット仮設トイレ

開発の経緯[編集 | hide | hide all]

イギリス陸軍は第二次世界大戦時に、歩兵の戦闘中のトイレ問題について尿意を催した場合はその場に垂れ流し、大の場合は目立たない草むらで済ますこととしてきた。しかし、1950年に退役軍人がイギリス国営放送に告発したことで、軍上層部が兵士に無理な排泄を強いていたこと[4]が世間に露呈し、今後の兵士の士気低下や人権団体からの抗議を回避するため、イギリス軍は新型の戦場用のトイレの開発をすることとなった。

戦場用トイレの開発にあたってイギリス軍兵器開発部は、まず特に不満の大きかった陸軍歩兵隊向きに開発することを決定し、戦況に柔軟に対応しつつ前線でも兵士が用を足せるように装甲車に仮設トイレを設置する形で開発することとした。設置する装甲車は当時イギリス陸軍主力戦車腐るほど車体が余ってたセンチュリオンの車体が流用されることとなった。

当初は同時に2人が用が足せる設計のFV4004Conweyが開発されたが、排水機構と貯水機構に問題を抱えており、車体の重心に対して仮設トイレ部分の重量が重くなってしまうことで軽い横風でも横転し汚物を垂れ流してしまうといった欠陥が存在した。また、現場の兵士からも同時に用を足せる人数が2人なのは少なすぎるとして不満が上がった。

その後FV4004の仮設トイレ部分を、同時に四人が用を足すことができよう改修し、ウォシュレットを設置するなど兵士の快適度の向上に努めFV4005として戦場に配備した。

FV4005は戦場において1年で5万人の兵士の緊急事態を救い、その畏敬の念から「アルティメット仮設トイレ」の愛称が広がるなど一定の評価を受けたものの、後述する理由で量産化には至らず、最終的に1両の生産のみとなった。

装備[編集 | hide]

入り口は1つだが、中で4人が用を足せる。

FV4005は移動方仮設トイレながら前線業務を行うために自衛用として、183mm砲を保有している。車体の大部分をトイレが占めている関係で装弾数は12発しか無いものの183mmの戦車砲は、現代日本の主力戦車10式戦車の主砲(127mm)やアメリカ主力戦車M1エイブラムスの主砲(105mm)だけでなく、戦艦大和の副砲(155mm)を遥かに凌駕しており、用を足している最中を狙ってくる姑息な敵兵を葬ることができた。精度は用を足している兵士が片手間に射撃するため高くはないものの、至近弾でもかなりの威力があるため、自衛用として重宝された。間違いなく歴代戦車と比較しても大口径の戦車砲を積んでいるがあくまで自衛用である

また、イギリスではティータイムを非常に重んじるため、即席紅茶キットとティーカップが標準装備されている。トイレなのに。

FV4005は車体に大量の紅茶を積んでおり、その動力源は実は紅茶なのではないかという噂がまことしやかに囁かれていたが、開発元は否定している。しかし、FV4005が通り過ぎた際に排ガスから紅茶の香りがしたと証言する兵士も数多く存在し、真相ははっきりしていない。

その後[編集 | hide]

現代の仮設トイレ。
FV4005の面影がある。

FV4005はその画期的なアイデアから量産化が期待されていたが、センチュリオンの車体上に4人が用を足せる仮設トイレを設置するといった構造は、設計を非常に複雑化させており、一両あたりのコストもとても膨大であったため結局1両の試作生産のみとなった。

構造面でFV4005の最も問題だったのは、その装甲である。小さな車体に無理やり4人用仮設トイレを設置したことによって車体重量が増え行軍に支障が発生し、最低限の速度が出るようにと装甲を削ったことで、仮設トイレ部分の装甲は全周でたった14mmしかない。これは、歩兵が一般的に携帯しているアサルトライフルで貫通することができる厚さであり、実際に前線でFV4005を用いて大をしていた25歳の兵士が敵兵のスナイパーによって狙撃される事故も発生している。また、汚水タンクもトイレ部分を大きくした関係で十分な大きさを確保できず、頻繁に後方のバキュームカーに汚水を運搬しなければならなかった。その際に汚水タンクに被弾し、装甲の薄さによって汚物を垂れ流しながら走行することが度々発生した。

イギリス軍はこれらの問題をすべて解決する金銭的・時間的な余裕がないとし、開発の打ち切りを発表し、今後は戦場に2時間間隔での交代勤務制を導入するとした。

FV4005に使用された仮設トイレの技術は民間に売却され、今現在工事現場等で見られる仮設トイレの元となった。


脚注[編集 | hide]

関連項目[編集 | hide]