泣く

出典: 究極の八百科事典『ウソペディア』

泣く(なく、:Crying)とは、人間の最も基本的な感情表現手段である。

概要[編集 | hide | hide all]

泣くことは、様々な場合に見られるが、言語以前の段階にある、出産直後の乳児が最初に行う感情表現であることから、笑いユーモアにすら先立つ、最も基本的な感情だと考えられている。

実際、人間は喜怒哀楽、いずれの場合においても、度が過ぎれば泣き出すことが知られている。しかしながら、多くの場合、人間はを幼稚な感情と見なすため、泣いている姿を観察することは時に困難であり、性行為にも類似する秘匿性から、性欲を掻き立てられる人々も存在する[1]

言葉[編集 | hide]

泣く行為は人間の極めて基本的な活動であるため、その様態が多種多様な語で表現されることでも知られている。日本語の場合、啼泣、涕泣、号泣、嗚咽、慟哭、哭く、感泣、すすり泣く、むせび泣く、落涙、感涙などの表現が[2]英語でもsobbing, weeping, wailing, whimpering, bawling, blubbering, bursting into tearsなどの表現が存在する。

ただ「泣く」という言葉では指示対象が包括的すぎるため、このように細分化する必要が生まれたのである[3]

機能[編集 | hide]

泣く行為の機能は未だに研究中とされているが、少なくともはっきりしているのは、それが眼球を充血させ、まぶたを腫らす効果があることである。これにより、人々はブラックホールを連星から間接的に観測するように、間接的にある人が泣いたことを発見することができるため、現代人は花粉症対策と同じぐらい、泣いたことを隠す方法や、そもそも泣かずに済ませる方法を模索している[4]

他の機能には、ストレス軽減、心理学的排泄、コミュニケーション手段[5]などであるという説も出されているが、いずれも推測の域を出ない。動物は泣く(鳴く)行為を警戒シグナルや反射として行うのに対し、人間だけが涙を積極的な感情表現に用いると主張する研究[6]も存在し、そのことは人間がいかに狡猾で油断ならない動物であるかを示唆していると言えよう[7]

起源[編集 | hide]

人間の泣く行為の進化論的起源は、一説によると、を使用することで煙たさに耐える必要性が生じ、涙が過剰分泌されるようになったからだとされている。この仮説が正しければ、技術の発展が人間の生物学的特徴に先行し、人間がそれに振り回されてきた様子が、数百万年の人類史を通じて不変だったことが理解できる。

頻度[編集 | hide]

ドイツの研究によると、成人男性は年間6~17回(平均2~4分/回)、女性は年間30~64回(平均6分/回)泣くという報告がある[8]

言い換えると、男は2ヶ月に1回から1ヶ月に1.5回程度、女は1ヶ月に2.5回から、6日に1回程度の頻度で泣いている、ということであるが、これを見ると、ドイツ人が余程の泣き虫であるか、泣く行為が広く隠蔽されてきているかのいずれかであることが分かる。

中古文学作品ではしばしば恋しては涙する貴族男女が登場すること[9]や、現代日本文学でも、文章化された涙はそれほど隠されていないことから、実際にはドイツ人が泣き虫である[10]というよりは、大半の涙が隠蔽されていると考えた方が妥当だと推察される。

泣きと笑い[編集 | hide]

口角の上がった泣き顔。

泣くことと笑うこととは通常相反する感情表現であるかのように考えられがちだが、「泣き笑い」という言葉が示すように、両者は併存しうるのみならず、実際には類似した部分も持つ。

例えば、表情をよく観察すると、しばしば泣き顔はアイコニックな口角下げの表情ではなく、むしろ笑い顔同様、上がっていることが分かる。

また、泣くことが価値の喪失を表し、笑うことが価値の無化を表すという仮説も存在しており、いずれも既成価値や既存の価値観を切り崩すのに役立つ可能性がある点で、共通である[11]

脚注[編集 | hide]

  1. このような嗜癖を持つ人は、ダクライフィリアと呼ばれる。
  2. 擬態語も含めると、ワッと、ワーワー、エンエン、シクシク、メソメソなど、その数はさらに増える。
  3. 考えてみれば、動物の「鳴く」好意も実は様々な表現に細分化されていることが知られているので、人間の泣く行為が多種多様であるのも当然と言えば当然であろう。
  4. 最も原始的な対策と考えられているのは、トイレなどの密室に駆け込むこと、及び声を抑えることである。
  5. 自らの無力を訴え、他者の同情を得るための手段。
  6. 英語論文より(ENWPのソースでもある)。
  7. 実際、女優などは演技で泣いて見せることも知られている。
  8. ENWPのソース(独語)。筆者が専門家気取りである可能性が疑われる出典選びのセンスである。
  9. それらの作品では、涙には袖を濡らす機能があったことが延々と述べられている。
  10. アドルフ・ヒトラーのように極度に激しい感情を爆発させる傾向が強かった人間は、例外かもしれない。
  11. だからユーモア百科事典を標榜しているウソペディアでも、本項目は立てられているのである。

関連項目[編集 | hide]